ハーレー X350の最高速|普通二輪で乗れる理由がここにある

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普通自動二輪免許で乗れるハーレーダビッドソンが存在する、というのはバイク好きの間でも比較的新しい話題です。2023年10月に登場したX350は、ハーレーダビッドソンのラインナップの中でも異色の存在であり、「最高速はどのくらい出るのか」「高速道路でも問題なく走れるのか」という点は多くの人が気になるところです。

X350の最高速はメーカーから公式に公表されていません。ただ、Motor Fan誌の1000km試乗記やバージンハーレーの試乗インプレッションをはじめ、複数の媒体が詳細なスペックと走行感覚をレポートしており、実際の速度域や走り方の特性については一定の情報が蓄積されています。この記事では、スペックの数字が示す意味と、X350が想定している走り方の関係を整理します。

大型ハーレーとはまったく異なるキャラクターを持つX350に興味がある方、普通二輪免許でハーレーに乗ることを検討している方に、判断材料となる情報をお届けします。

ハーレー X350の最高速と基本スペック

X350の性能を理解するには、エンジンの数字だけでなく、そのエンジン特性がどのような走り方を前提に設計されているかを合わせて見ておくとよいでしょう。公式スペックと走行レポートを照合すると、X350が想定している「速度域」がはっきりしてきます。

公式スペックで確認できる数値

Motor Fan誌が公開しているX350のスペックシートによると、エンジンは水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ、総排気量は353cc、ボア×ストロークは70.5×45.2mmのショートストローク設計です。最高出力は27kW(36PS)を8,500rpmで発生し、最大トルクは31N・mを7,000rpmで発生します。

6速トランスミッションを備え、燃料タンク容量は13.5L。車両重量は195kgで、シート高は777mmです。ハイオクガソリン指定で、カタログ燃費は約20.2km/L(メーカー発表値)とされています。最新の仕様・価格はハーレーダビッドソン公式サイトでご確認ください。

最高速は公式非公表――実際の報告値は

ハーレーダビッドソンはX350の最高速度を公式に公表していません。これはX350に限らず、多くのバイクメーカーが市販車の最高速度を非公表とするのと同じ扱いです。

複数の試乗インプレッションや走行レポートでは、130〜150km/h前後という数値が挙げられています。ただし、測定条件(ライダーの体格・積載物・路面状況・気象条件)によって変わる値であり、個体差もあります。公道での最高速を追求することよりも、法定速度内での実用的な走りを評価する視点でX350を見ると、そのキャラクターが分かりやすくなります。

X350の最高速に関するポイント整理
・メーカー公式の最高速度は非公表
・試乗レポートでは130〜150km/h前後が多く報告されている
・測定条件・個体差により変動するため、あくまで目安として参照する
・日本の高速道路の法定速度(最高100km/h)の範囲内では余裕をもって走行できる性能

ショートストローク設計が意味すること

ボア70.5mm×ストローク45.2mmというショートストローク設計は、高回転まで回してパワーを引き出すタイプのエンジン特性を意味します。伝統的なハーレーのVツインエンジンが低回転のトルクで粘り強く走るキャラクターであるのに対し、X350は中〜高回転域でパワーが伸びる設計です。

このエンジン特性は、ギアを積極的に操作しながらリズミカルに走るネイキッドスポーツの走り方と相性がよく、コーナーの連続する峠道や市街地でも扱いやすさを感じやすい設計といえます。大型ハーレーに慣れたライダーからは「ドコドコ感がない」と評されることもありますが、ミドルクラスのスポーツバイクとして見るとスムーズで軽快な特性です。

  • 排気量353cc・水冷並列2気筒DOHC4バルブ、6速MT
  • 最高出力27kW(36PS)/8,500rpm、最大トルク31N・m/7,000rpm
  • 最高速は公式非公表。試乗レポートでは130〜150km/h前後が目安
  • ショートストローク設計で中〜高回転域でのパワーが特徴
  • 車両重量195kg、シート高777mm、タンク容量13.5L

X350の走行性能と得意な速度域

スペックの数字だけでは分かりにくい部分が、実際の走りの質感です。バージンハーレーやMotor Fanなど複数の試乗レポートでは、X350の走行特性についていくつかの共通した評価が見られます。街乗りから高速道路まで、どの場面で何が得意なのかを整理します。

市街地とストップ&ゴー

X350は全長2,110mm、車両重量195kgとミドルクラスとしてはコンパクトな部類に入ります。シート高777mmと低めの設定で、バージンハーレーの試乗記では「小柄な人や女性でも十分に乗りこなせるサイズ感」と評されています。

市街地のストップ&ゴーでは、軽快なクラッチ操作と扱いやすい低中速トルクが活きます。ハーレーダビッドソン三鷹店のスタッフによる試乗レポートでも、クラッチの軽さはX350の特徴として挙げられており、大型ハーレーに多いクラッチの重さとは異なる感覚です。信号の多い都市部でも疲れにくい特性といえます。

峠道での走り心地

ハーレー X350の最高速と特徴のイメージ

X350はフロントに伸び側減衰調整付きの倒立式フォーク(インナーチューブ径41mm)、リアにプリロードと伸び側減衰の調整ができるモノショックを備えています。価格.comマガジンの試乗レポートでは「前後サスペンションは比較的よく動くので、それほどスピードを出していなくても操る楽しさを味わえる」と評されています。

カーブの前後でギアを操作しながらリズムよく走るスタイルと相性がよく、ハーレーダビッドソン三鷹店の試乗レポートでも「バイクを操っている感じが気分爽快」という表現が使われています。高速性能よりも、操る楽しさを重視した設定と見てよいでしょう。

高速道路での巡航

日本の高速道路の法定速度(最高100km/h)の範囲内では、X350の性能で不足を感じる場面は少ないと考えられます。ただし、複数のインプレッションで「100km/hを超えると振動が気になる」という声もあり、長時間の高速巡航を主な用途とする場合は事前に試乗で確認しておくとよいでしょう。

X350の兄弟モデルであるX500は排気量500cc・最高出力35PS(ハーレーダビッドソンジャパン発表値)で、バイクの窓口の情報では最高速が160km/h超とされています。長距離の高速ツーリングに余裕を求める場合はX500との比較も選択肢になります。ただし、X500の最新スペックと価格はハーレーダビッドソン公式サイトでご確認ください。

項目X350X500(参考)
排気量353cc500cc
最高出力27kW(36PS)/8,500rpm35PS(参考値)
最大トルク31N・m/7,000rpm46N・m(参考値)
車両重量195kg208kg
シート高777mm820mm
免許区分普通自動二輪大型自動二輪
  • 市街地では軽いクラッチと低中速トルクで扱いやすい
  • 峠道は調整幅のあるサスペンションで操る楽しさを感じやすい
  • 高速巡航は法定速度内で不足なし。長時間の高速走行は試乗で確認を
  • X500は大型免許が必要だが、高速域の余裕はX350より大きい

X350のルーツとキャラクター――なぜこの設計なのか

X350のスペックや走りの特性を理解するうえで、このバイクが何を目指して設計されたのかを知っておくと判断の整理がしやすくなります。Motor Fanの試乗記や各社の発表資料から、X350の成り立ちについて整理します。

XR750をオマージュしたトラッカースタイル

X350のデザインコンセプトは、1970年代のフラットトラックレースで活躍したレーサー「XR750」のオマージュです。「ロー&ロング」のクルーザースタイルが多いハーレーダビッドソンの中では、コンパクトで直立した乗車姿勢が特徴的なポジションとなっています。

丸形ヘッドライトの中央にハーレーダビッドソンのロゴが光る演出や、トラス状に組まれたスチール製パイプフレームなど、デザインの細部にはブランドのアイデンティティが込められています。Motor Fanの試乗記では「外装はらしさが全開のオリジナル」と表現されており、ひと目でハーレーダビッドソンと分かるスタイリングに仕上がっています。

QJモーターとの協業と設計の背景

X350はハーレーダビッドソンが本社を置くミルウォーキーで設計を行い、中国のQJモーターサイクルが生産を担当しています。バージンハーレーの試乗記では「QJモーター/ベネリの設計を転用した結果」として、水冷並列2気筒エンジンとスチール製トレリスフレームを挙げています。兄弟車にあたるベネリ302SやQJモーターSRK350が存在します。

この点を指して「ハーレーらしくない」と評される場合もありますが、Motor Fanの記事では「ハーレーダビッドソンが自社でゼロから設計していない車両を販売するのは初めてではない」として、1960〜70年代のアエルマッキ製モデルの例を挙げています。ブランドの歴史の中では、外部との協業によるモデルは前例のある手法です。

エントリーモデルとしての位置づけ

ハーレーダビッドソンジャパンは、X350の発売時に「これまでハーレーダビッドソンに触れる機会のなかった人にも最適なオールニューモデル」と説明しています。発売1か月でX350とX500の合計が1,000台を受注するなど、ハーレーダビッドソン新規層への訴求という点では一定の成果を見せています。

普通自動二輪免許で乗れること、取り回しのしやすいコンパクトな車体、70万円を切る発売時の価格設定(当時69万9,800円)が、これまでハーレーダビッドソンを「憧れで終わっていた」層の選択肢を広げた要因と見られます。最新の価格はハーレーダビッドソン公式サイトまたは正規ディーラーにてご確認ください。

X350が目指したコンセプト
・XR750をオマージュしたフラットトラッカースタイル
・普通自動二輪免許で乗れる現行ハーレーダビッドソン
・ミルウォーキーで設計、QJモーターサイクルが生産
・新規層へのエントリーモデルとして2023年10月に日本発売
  • XR750をルーツとするトラッカースタイルで、ブランドらしさと新しさを両立
  • ミルウォーキー設計・QJモーター生産の協業モデル
  • 発売1か月でX350・X500合計1,000台受注の実績
  • エントリーモデルとして普通二輪免許層に向けた設計

X350への評価と購入前に整理しておきたい点

X350は登場時から賛否が分かれる存在でした。「ハーレーじゃない」という声がある一方で、試乗者からは肯定的な評価も多く寄せられています。購入を検討する際には、両面の評価を把握したうえで、自分の使い方に合うかどうかを確認しておくとよいでしょう。

肯定的な評価と実際の使い心地

バージンハーレーの試乗記では「伝統的なハーレーとはまったく異なるが、いいねが付くマシンに仕上がっている」と評され、価格.comマガジンでは「同クラスのスポーツネイキッドマシンと比較しても、面白さという点では勝っていると感じた」という評価があります。

街乗りから峠道まで幅広く楽しめる操る感覚、ハーレーダビッドソンのブランドロゴが主張するデザイン、比較的軽い車体と低いシート高による取り回しのしやすさが、実際に乗ったライダーから評価されているポイントです。

懸念点として挙げられる声

「ハーレーらしくない」と感じる主な理由は、Vツイン特有の鼓動感や重低音のエキゾーストサウンドがないことです。水冷並列2気筒エンジンの特性はスムーズで高回転型であるため、従来のハーレーダビッドソンに慣れているライダーには異なる印象を受ける場合があります。

また、中国・QJモーターサイクルが製造していることから「品質や耐久性が気になる」という声もあります。こうした点については現時点で長期使用の事例が少ない部分もあり、気になる方はディーラーで保証内容や実態の使用例を確認しておくとよいでしょう。

購入前に試乗で確認したいポイント

X350の購入を検討する際に、試乗で確認しておくとよいポイントをいくつか挙げます。シート高777mmは比較的低めですが、足着きは体格によって異なります。車体の実際の倒しやすさと引き起こしのしやすさも、195kgという重量が実際にどう感じられるかを体感してから判断するとよいでしょう。

高速道路を頻繁に使う予定がある場合は、高速域での振動の感じ方も試乗で確認できると安心です。カスタムパーツについては、発売から年数が経過したことで車検対応のスリップオンマフラーや各種パーツが徐々に登場しています。具体的なパーツの選択肢はディーラーや専門ショップに相談するとよいでしょう。

試乗で確認しておきたいチェックポイント
・足着きと取り回しの感覚(195kg、シート高777mm)
・クラッチの軽さと低中速域のトルク感
・高速道路相当の速度域での振動の有無
・座面の硬さと長距離乗車時の疲労感
  • 試乗者からは操る楽しさとデザインへの好評が多い
  • Vツイン特有の鼓動感・サウンドはなく、従来のハーレーとは別キャラクター
  • 足着き・高速振動・長距離疲労感は試乗で個別に確認を
  • カスタムパーツはディーラーや専門ショップに相談するとよい

まとめ

ハーレーダビッドソンX350の最高速は公式非公表ですが、複数の試乗レポートでは130〜150km/h前後という数値が挙げられており、日本の高速道路の法定速度内では余裕をもって走れる性能です。X350はスピードを追求したモデルではなく、普通自動二輪免許で乗れるハーレーダビッドソンとして、街乗りから峠道まで幅広く楽しめる操る感覚を軸に設計されています。

まず最初に試しておきたいのは、正規ディーラーでの試乗です。シートの高さ、クラッチの重さ、加速感の質感は、スペック表の数字よりも実際に乗ってみた印象が判断に大きく影響します。最新のスペック・価格・カラーラインナップはハーレーダビッドソン公式サイト(harley-davidson.com)でご確認ください。

普通二輪免許でハーレーダビッドソンに乗るという選択肢が具体的になってきた方に、この記事が判断の材料になれば幸いです。

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